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「西川屋おりじん」は、私ども西川屋老舗の赤岡本店を改築した際に発見された古文書や菓子道具を公開している資料館です。
赤岡は、大盃で豪快に酒を飲み干す「どろめ祭り」や、幕末の絵師・絵金が描いた屏風絵を所蔵する家々が軒先に展示する「絵金祭り」などで知られていますが、古くから市がたち、参勤交代の折には藩主がご宿泊された町でした。代々、素麺や麩、菓子を作り、慶長6年(1601)の山内一豊侯の入国以降は土佐藩山内家の御用を勤めていた当家が、初めての店を赤岡の地に構えたのも、町の豊かさが背景にあってのことでした。
この資料館の展示も、山内家御用関係の古文書が中心となっています。なかでもご覧いただきたいのが、屏風に25枚の古文書を貼り付け仕立てた「御用状 貼り交ぜ屏風」です。文書の内容は、梅干入りの干菓子についての記述や、隠居された藩主の古希を祝う菓子の注文など様々で、どなたでも読んでいただけるよう全文を翻刻したパンフレットもご用意しております。なお、文書の紙の色が違うのは、正式な文書の紙を時期により変えていた藩の政策によるものです。
1階には、包装用に使っていた江戸期から昭和初期にかけての木版印や、絵金が描いた幟などを展示しております。また、赤岡本店限定の菓子などを楽しんでいただけるお席もございます。 古き佳き町にある土佐の和菓子文化の伝承と発信の拠点に、ぜひ一度お越しください。
(池田聰博 西川屋老舗社長)

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